EM関係

EM菌培養液に含まれる微生物の追加解析と考察

【EM1活性液の微生物解析】 Part1 細菌のメタ16SrRNA解析-増幅領域を変えた追加解析 (V1-V2領域アンプリコンシーケンス) ・試料:EM1活性液(培養液A)、糖蜜培地(培養液B)から抽出したDNA V3V4領域(細菌)とITS2領域(真菌)の解析に使用したDNA試料…

EM菌に含まれる微生物の解析ーまとめ2ー

EM菌(EM1活性液)に含まれる細菌の構成をメタ16S解析(V3V4領域)結果が更新されましたので、「まとめ」も新たな情報を加えて更新します。 (前回のまとめ) 【新たに判明したこと】 ※微生物資材EM1に含まれている可能性の高い微生物 1. EM1の主要構成微生…

EM菌に含まれる微生物の解析ー細菌類ーその2

前回、EM菌(EM1活性液)に含まれる細菌の構成を、メタ16S解析(V3V4領域)をした結果を報告しました。 この解析には一般的に行われている手法を用いましたが、その改良版が出されましたので、それを用いて再解析をしてみました。 【QIIMEとQIIME2の違い】 …

参考資料:EM菌を構成する微生物を調べた過去の文献

過去の文献による「細菌や真菌」の検出方法は、いずれも分離用のプレート培地で生育をチェックする「平板法」と呼ばれる「培養法」による方法でしたが、プレート培地で育てる人為的な培養条件に合わない菌は、もし存在していてもコロニーを形成せずに見落と…

EM菌に含まれる微生物の解析ーまとめー

※細菌叢の再解析結果をもとに、一部の情報を更新しています。 ↑こちらに「最新情報」があります。 【実験材料と方法】 【Part1 細菌のメタ16SrRNA解析結果】 【Part2 真菌のメタITS解析結果】 ※微生物資材EM1に含まれている可能性の高い微生物 (注)アセト…

EM菌に含まれる微生物の解析ー真菌類ー

※糖蜜培地は、対照実験(ブランク:EM1添加なし)です。 【EM1活性液の微生物解析】 Part2 真菌のメタITS解析結果 (ITS2領域アンプリコンシーケンス) ・ITS領域の解説 ・プライマー結合位置 真核生物: 18S rDNA – ITS1 – 5.8S rDNA – ITS2 – 28S rDNA ・プ…

EM菌に含まれる微生物の解析ー細菌類ー

※糖蜜培地は、対照実験(ブランク:EM1添加なし)です。 【EM1活性液の微生物解析】 Part1 細菌のメタ16SrRNA解析結果 (V3-V4領域アンプリコンシーケンス) [イルミナ社:NGSの新たな利用法 16S rRNAメタゲノム解析のポイント プロトコールのご紹介 より]…

EM菌に含まれる微生物の解析ー実験の概要ー

微生物資材として売られているEM菌は、EM1を主力商品として「乳酸菌、酵⺟、光合成細菌」を主体とした微⽣物で構成されると宣伝されています。 しかし、これまで多くの文献において「光合成細菌が検出されなかった」と報告されてきました。EM菌開発者の比嘉…

EMによる水質改善効果徹底検証(4)-三宅川編

愛知県稲沢市は平成14年度から開始したEM菌を使用した河川浄化活動の廃止を決定して、平成29年度でEM菌を定期的に三宅川に投入していた活動を止めました。 廃止の理由は、公共下水道と浄化槽の普及が主な理由となっていますが、実際にEM菌の投入効果がどの程…

愛知県稲沢市はEM菌を使用した河川浄化活動を廃止

愛知県が実施した「EM菌による河川の環境改善の検証」報告書を以前紹介しましたが、EM菌による浄化効果を確認できないという結論でした。 この検証を行った川が流れる稲沢市では、平成29年度でEM菌の投入を終了することが、「平成29年度 第2回稲沢市環境審議…

EM菌 VS サルモネラ菌

徳島県に公文書の情報開示請求をして、「平成23年度 畜産関係業績発表会 発表集録」を入手しました。この中で、EM菌で鶏舎を消毒していたら「鶏舎内環境からのサルモネラ検出率」が年々上昇してしまった農場の事例が報告されています。 「鶏卵衛生事業におけ…

愛知県が実施したEM菌による河川の環境改善効果の検証

茨城県が各都道府県に対して実施したアンケートで愛知県は、 「平成16~ 17年度に、EM菌による河川の水質浄化効果を把握するため、EM菌による浄化実験を行っていた河川(BOD:10~50mg/L程度)で、EM菌の投入か所の上下流において水質・底質の分析調査を実施し…

大阪市が実施したEM菌による河川の環境改善効果の検証

大阪市は、EM菌が投入されている淀川・道頓堀川・神崎川において、EM菌の投入効果がどれだけあるのかを調査していました。大阪市よりこれらの報告書を入手できましたので、紹介します。 いずれもEM菌を河川に投入しても改善効果はみられず、逆に状況によって…

国交省の担当課職員も河川へのEM菌投入を問題視していた

広島県から公文書として開示された資料の中に、平成16年9月に国交省の淀川河川事務所河川環境課の職員からEM菌に関する情報提供がありました。 それによると、この職員は以下の理由でEM菌(EM団子)の投入をやめるように指導しようとしていました。 ・EM菌の…

外来微生物の投入が在来微生物に及ぼす影響について

長崎県が実施した 『大村湾環境保全・活性化事業(有用微生物「えひめAl-1」を用いた環境改善効果検証事業)に係る水質等調査結果(平成16~ 18年度調査結果) 』より id:warbler の 大村湾環境保全・活性化事業(有用微生物年えひめAI-1を用いた環境改善効果検証…

全国47都道府県:EM菌による水質浄化活動への補助金に関する調査結果

平成29年5月に茨城県から全国46都道府県にアンケート調査が実施されていました。 茨城県に公文書開示請求した結果、全国の都道府県からの回答が記入された調査票を開示して頂けました。 調査結果まとめ (補)アンケートを実施した茨城県については、これま…

岡山県によるEM菌の水質改善効果の検証結果の紹介

岡山県は、平成6~7年度にかけて、EM菌が河川や湖沼の水質改善に使えるかどうかを検証しています。この検証結果は、「岡山県環境保健センタ一年報」第19号と第20号で報告されていますので、改めて紹介します。 【岡山県環境保健センタ一年報 第19号】収録 結…

福井県によるEM菌の水質改善効果の検証結果の紹介

福井県は、平成12~14年度にかけて、地元の環境保全団体(三方五湖浄化推進連絡協議会)と共同で(実験担当:環境保全団体、浄化効果および環境影響調査担当:福井県環境政策課)、EM菌が河川と湖沼の水質改善に使えるかどうかを検証していました。 公文書(…

茨城県によるEM菌の水質改善効果の検証結果の紹介

茨城県は、平成7~8年度にかけて、筑波大学TARAセンターおよび国立環境研究所と共同で、EM菌を含む6種類の微生物製剤を用いて、水質改善に使えるかどうかを検証していました。 公文書(行政文書)開示請求によって、この報告書も開示して頂けましたので、こ…

茨城県 VS EM菌関連企業・団体

茨城県は平成30年10月に「第17回世界湖沼会議」を開催します。これと連動して平成29年4月に「世界湖沼会議市民活動気運醸成事業」補助金の募集を開始しました。 次の画像は、その時の茨城県庁のHPの一部を記録したものです。 「ただし、有用微生物群を活用し…

新聞記事とEM菌 2017年まとめ

2017年分のデータが集まりましたので、グラフを更新しました。 ※このブログ記事の見方としては、新聞記事として取り上げられたものだけなので、実際にEM菌が使用されている状況をそのまま反映したものではない事に留意が必要です。 EM関係の新聞記事数の年別…

広島県 VS EM研究機構

広島県からEM菌の水質浄化効果を否定する内容の報告書が出された事に対して、EM研究機構が抗議をしていました。 ・EM菌の培養液は有機物と栄養塩類が高濃度に含まれることから「河川等の汚染源になり得る」という実験結果を報告した福島県に対しても、EM研究…

広島県「EM菌による水質浄化実証試験結果報告書」

広島県に公文書(行政文書)の情報開示請求をして、EM菌による水質浄化効果を調べた報告書を入手しました。 『EM菌による水質浄化実証試験結果報告書 平成15年5月 広島県保健環境センター』(写真資料も含めて全52ページ) これを全てブログに掲載するのは量…

微生物資材の投入による河川等の水質浄化の検証と諸問題

某大学で講演を頼まれた時の講演スライドをUPします。 (某大学としているのは、その大学にEM関係者が申し入れ等をする懸念がありますので、一応伏せておきます。もうバレているかもしれませんが…) ※各スライド図をクリックすると拡大されます。 日本橋川に…

福島県の「微生物資材の河川等への投入」についての方針とEM関係者への自粛要請

公文書の情報公開制度を利用して、福島県に「微生物資材(EM等)の河川等への投入について」及び、上記文書の作成以降の微生物資材に係る問い合わせ関係文書の開示を請求し、一部(個人情報等の部分)を除いた「公文書一部開示決定」により、45件の文書が開…

新聞記事とEM菌 2016年まとめ

2016年分のデータが集まりましたので、グラフを更新しました。 ※このブログ記事の見方としては、新聞記事として取り上げられたものだけなので、実際にEM菌が使用されている状況をそのまま反映したものではない事に留意が必要です。 EM関係の新聞記事数の年別…

EMによる水質改善効果徹底検証(3)-竜ヶ池編

第一弾の沖館川編、第二弾の日本橋川編に続く、徹底検証の第三弾です。 池は河川とは異なり、水の流れが少ないので有機物が溜まって富栄養化しやくなっています。富栄養化するとプランクトンが発生して、特に夏場には悪臭も漂います。 長野県須坂市にある臥…

EMによる水質改善効果徹底検証(2)-日本橋川編

EM推進団体が河川の水質浄化に成功した事例として盛んに宣伝しているのが「日本橋川」でのEM菌投入活動です。一方で、実はEM菌投入効果は出ていないとする意見も出されています。果たしてどうなのでしょうか? 前回の沖館川の検証に続き、日本橋川についても…

EMによる水質改善効果徹底検証(1)-沖館川編

EM菌による水質改善効果に関して、検証を行いました。 まずは、前回の「沖館川では今もEM投入が行われているのか?」についての検証の続きから入ります。 EM推進団体が盛んに宣伝しているように、EM団子やEM活性液(EM菌の培養液)に顕著な水質改善効果を期…

新聞記事とEM菌 2015年まとめ

2015年のデータが集まりましたので、紹介します。 検索して拾い集めたEM関係の新聞記事数の年別推移です。2015年のEM関係記事の総数は2014年とほぼ同じでした。 次に、各年度の月別推移を見てみます。 2014年に続き、2015年も年間での目立ったピークが無くな…