2013-01-01から1年間の記事一覧

「ある大学で起きた研究不正についての実例」の補足

「ある大学で起きた研究不正についての実例」 http://d.hatena.ne.jp/warbler/20131207/1386394597 で紹介した事例について、学術振興会から状況の説明をして頂いております。 日本学術振興会研究助成第一課の担当者に公表の了解を得られましたので、掲載し…

第36回日本分子生物学会 理事会企画フォーラム「研究公正性の確保のために今何をすべきか?」後記

理事会企画フォーラム「研究公正性の確保のために今何をすべきか?」 http://www.aeplan.co.jp/mbsj2013/mbsj_forum.htmlこの企画をされた分子生物学会の理事会の方達は、かなり真剣に研究不正防止について考えています。 このフォーラムには、NHKや複数の新…

ある大学で起きた研究不正についての実例

ここで紹介する実例は、 第36回日本分子生物学会で開催された 理事会企画フォーラム「研究公正性の確保のために今何をすべきか?」 http://www.aeplan.co.jp/mbsj2013/mbsj_forum.html の、第1セッションと第5セッションで話題提供させて頂いたもので、そ…

『DND出口氏の記事にある青森市立西中校長インタビューの事実関係の確認』の補足を兼ねて

2013年05月15日に当ブログに掲載した 『DND出口氏の記事にある青森市立西中校長インタビューの事実関係の確認』 http://d.hatena.ne.jp/warbler/20130515/1368612989 という記事に関して、DNDの出口俊一氏から質問のメールがきました。 記事の補足にもなりま…

EMの歴史

EMについて、これまでに得た情報を時系列にまとめてみました。 自分用のメモを兼ねています。 (ざっとまとめたので、抜けも多いかと思います) 間違いや、大事だと思われる事で抜けているものがあればご指摘下さい。<表1>EMに関する年表 ※公的機関や大学…

「研究不正」をどう防ぐか<上>

WEBRONZAより転載、加筆。 http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2013082000008.html 研究不正、特に論文の捏造は重大な問題であり、学問への信頼を揺るがせるものです。発覚するしないに関わらず、不正を行った本人だけではなく周囲の人達も巻き込ん…

「研究不正」をどう防ぐか<下>

WEBRONZAより転載、加筆。 http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2013082000009.html<上>では、研究不正が行われている状況とその背景について書きました。続く(2)では、どうすれば不正を減らせるのか、第三者機関による監視の必要性も含めて考…

環境教育と善意のEM投入

WEBRONZAからの転載です。 http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2013071200007.html http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2013071200008.html 自然環境は、そこに生息する様々な生物による複雑で絶妙なバランスによって保たれています。 例…

読んだ本の紹介

ツイッターでつぶやいていた読後感想のうち、お薦め本を選んでまとめました。「カルト宗教」取材したらこうだった (宝島社新書) (藤倉善郎著)2012年08月15日読了 ニセ科学批判をして感じている事とかなりオーバーラップしている部分があり、読み応えがあり…

ちょっと待って!EM団子・EM活性液の投入

2010年から、海の日にEM提唱者である比嘉氏が主導して、河川や湖沼、海などへの「EMの日・全国一斉EM団子活性液投入」活動が行われています。今年は、投入目標量がEM団子100万個・EM活性液1000トンです。 昨年の投入実績は、主催者発表によると、EM団子 555,…

『微生物資材の水環境中での利用に関するQ&A』

福島県生活環境部水・大気環境課の転載許可を頂きましたので、 『福島県生活環境部生活排水対策推進指導員講習会資料』(抜粋)を紹介させて頂きます。

DND出口氏の記事にある青森市立西中校長インタビューの事実関係の確認

EM菌を用いた環境授業について問題提起をした朝日新聞記事に対する、DNDメディア局の出口俊一氏による批判記事が出されています。この批判記事では朝日新聞の長野剛記者の取材が事実と異なるとされています。しかしながら、出口氏の批判記事の中で取り上げら…

新聞記事とEM菌(2)−考察編−

前エントリーのデータ解析編の続きです。 2008年からEM関係記事数は徐々に下がっている様子があります。2012年の夏以降は、記事数の減少がはっきりと現れています。理由としては、次の様なことが考えられます。(EMにとってポジティブな推論) ・EMが普及し…

新聞記事とEM菌(1)−データ解析編−

新聞は公共の情報源として、さまざまな情報提供を行っており、多くの人達が参考にしています。新聞記事にEM菌がどの様に紹介されてきたか、その動向について2007年1月〜2013年3月の日本国内のEM関係記事(1833件)を拾い集めて解析してみました。EM関係記事…

東日本大震災後のEM関係団体の広まり

原発事故による放射線に対する不安から、放射性物質の除染効果を宣伝しているEMが広まっているという印象があり、実際にどうなのかを調べてみました。昨年10月に、ツイッターでEMを初めて知った時期(東日本大震災の何年前か)と、何に関連して知ったのか等…

甲状腺がんの特殊性と福島県で実施されている甲状腺検査の診断基準について

SYNODOS JOURNAL に寄稿した記事から、一部抜粋して加筆修正しました。 http://synodos.livedoor.biz/archives/1955905.html癌と関連する健康診断をして二次検査をしましょうと言われると、誰でも不安になるものです。二次検査をして「癌ではなく良性腫瘍(良…

福島県での甲状腺がん検診のこれまでの結果で、甲状腺がんの発生が多発と言えるのか?

現在、福島県の子供達に甲状腺がんの発生が増えているのかどうかについて、疫学者の津田敏秀氏から次の考察が出されました。福島県での甲状腺がん検診の結果に関する考察 ver.3.02 岡山大学大学院・津田敏秀氏 http://www.kinyobi.co.jp/blog/wp-content/upl…

政治と疑似科学

WEBRONZAの記事より転載。一部加筆修正しました。 民主主義政治における政策決定と科学的な根拠を重視する考え方には、深い関係があります。どちらも、「ある意見の価値は、その意見を支持する人の思想・信条や社会的な地位とは関係無く、その意見を支える事…

巷に流行る「酵素栄養学」、なんか変です

酵素を食べ物から体に取り入れることで健康維持に役立つという説を基にした健康法を良く目にします。「酵素栄養学」と呼ばれるもので、一生のうちで作れる酵素の量(「潜在酵素」)が人によって決まっていて、食べ物に含まれる酵素(「食物酵素」)を食べて…