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岡山大学で不正告発をした教授らの解雇無効申立仮処分決定について

研究不正 岡山大事件

平成28年(2016年)6月6日に、岡山地裁で不正告発をした教授らの解雇無効申立仮処分に対する決定が出されました。

 

森山元教授に対する仮処分決定文

id:warbler の 解雇無効裁判仮処分 森山 決定 黒塗り.pdf

(↑PCで閲覧推奨 全22頁)

 

岡山地裁は、「本件解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、あるいは社会通念上相当と認められないから、解雇権の濫用として無効である」との判断を下しました。

 

【本件解雇の有効性について】

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【結論】(森山)

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残念ながら地位保全までは認められませんでしたが、解雇理由とされた9件いずれも解雇の理由として認められないとして「解雇権の濫用として無効である」との判断が下された事は重要だと思います。

 

※解雇理由は1~9までありますが、解雇無効を訴える森山元教授側の主張がほぼ全て認められています。おそらくどれか一つでも欠けると、解雇理由にはなりえないので、岡山大学側の反論は、相当苦しいものになるのではないかと考えられます。


解雇理由に対する判断は、次の通りです。

・ 解雇事由の事実自体が認められない:

 解雇事由1、2、4、5、7

・解雇事由の事実は認められるが適正欠如の解雇事由に該当すると評価できない:

 解雇事由6、8

・ 解雇事由の事実は認められ、適正欠如の解雇事由に該当すると一応認められるが、いずれも著しく相当性を欠くとまではいえない:

 解雇事由3、9

 

※特に、森山元教授らの論文不正告発公益性があり「事実と信ずる合理的な理由がある」とされ「目的の正当性」を失っておらず著しく相当性を欠くといえないとされたのは重要です。

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森山元教授らの代理人弁護士は、地位保全についても認めるように不服申し立てを考えているとのことです。

 

【追記】 

「地位の保全」が認められなかった事について、解雇事由が一部有効だからではないかという解釈をされている方々がおられましたので、弁護士による解説を追記します。

 

岡山地裁の判断は、解雇は無効であり、だからこそ給与の仮払いを担保なしで認めるけれども仮処分という手続きの性質上、仮の地位を認めることを判断することはできないので、後はこれを前提として本訴で判断してくれというものです。

 

【追記】

9件の「解雇理由」にはパワハラ行為は含まれていません。

パワハラを理由に解雇されたと誤認したネット記事が出されたので、誤解が広められない様に追記をします。

 

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