私の『EM関連取材@函館』について

2015年11月18日、出口俊一氏によるDNDメルマガに、次の記事がUPされました。
『第9回 片瀬さん、これはちょっとやりすぎじゃない?』
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151118.php

 自称、ライター、片瀬久美子(ペンネーム)について、彼女はフリーライターを名乗るのだけれど、基本的な取材の訓練を受けていないせいか、詭弁を多用する癖があるようだ、と前回、具体的に指摘したら、DNDメルマガの読者から、「彼女は、詭弁どころか、問題のすり替えの達人で、例えば、北海道の函館の大沼で、『大沼@函館EM菌投入中』というデマをネットで拡散しています。お調べください」との情報が寄せられた。 その情報を裏付けるいくつかの事実が判明した。
   DND編集長、ジャーナリスト、出口俊一

 私がネットで『大沼@函館EM菌投入中』とデマを流しているとする内容のものでした。出口氏は大沼水質改善研究会の榊会長と沖田副会長による証言として、私に関する悪行の数々を暴露する連続した記事をUPしました。

『第10回 「捏造」という片瀬久美子の現実』2015年11月27日
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151127.php
『第11回 「捏造」という片瀬久美子の現実 続報』2015年12月9日
http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151209.php 

 出口氏から大沼水質改善研究会の活動に関する虚偽を私がSYNODOS記事に書いていると教えられた榊会長と沖田副会長は、私に記事訂正を求める要望書を送付してきました。私はその要望に応じて記事の一部を削除・訂正すると共に、私について書かれた虚偽について撤回して頂くように、榊会長と沖田副会長に要望を出しました。
 以下は、この件の経緯説明、榊会長らとの書簡のやりとり、彼らの主張とそれに対する私の反論です。各文書について、コメントを付記しています。

・榊会長と沖田副会長に取材をした経緯
・榊会長と沖田副会長からの要望書
・片瀬からの回答書
・片瀬からの要望書
・榊会長と沖田副会長からの返答1
・片瀬からの督促状
・榊会長と沖田副会長からの返答2


【榊会長と沖田副会長に取材をした経緯】

 2012年の春、私はEM菌が函館近郊で環境活動に使用されている事例はないかをネットで検索して調べ、次の函館新聞の記事を見つけました。


(途中略)

「大沼水質改善研究会」がEM菌を活用した実験を中心にした活動を行ってきたと知り、この新聞記事の内容について確認する目的で同会の榊会長と連絡をとり、取材の申し入れをしました。
 榊会長からは、函館新聞の記事の通りであり、同会は大沼の水質改善を目的としてEM菌を活用した実験を中心に検討を進めてきたと説明を受けました。実験データの存在を尋ねると水質改善の実績として、沖田副会長が下水処理場でEM菌を使用した汚水処理例と、小池にEM菌の培養液を投入してアオコが消えた成功例などがあるとの説明をされました。
 この話が出てから、沖田副会長にも会ってみないかと誘われて、沖田副会長の研究施設に案内されました。沖田副会長からは、EM菌による水質改善例が書かれている資料として、『すこやかくん通信』平成22年07月号を頂きました。

 下水処理場での汚水処理は閉鎖系であり、大沼とは大きく条件が異なります。より大沼に近い実験系である小池での試験の方が参考になります。次に示すのは、小池での試験に関する部分です。

 EM菌を投入するとアオコの発生が少なくなったと報告されていますが、その後も継続して投入していると書かれています。(黒松内町の役場に確認をしましたが、EM菌投入は2015年12月現在も続けられているとのことです)
[注: EM菌投入でアオコの発生が少なくなった理由については、【補足2】で解説]

 榊会長に、EM菌による方法とマイクロナノバブルによる方法では、効果にどう違いがあったのか質問すると「マイクロナノバブルは、即効性があった。EM菌だと効果が出るまで時間がかかる」というのが違いとしてあると教わりました。この説明を受け、小池にEM菌投入を続けているのは、期待した水質に到達するまでには長い期間続ける必要があるのだと解釈しました。

 そして、榊会長は「研究会に参加している学者などがEM菌の良さをなかなか理解してくれず、結局、会の活動としてEM菌を使うのは断念し、マイクロナノバブルを使う方法に切り替えた」と説明されました。沖田副会長は「北大などの旧帝大系の学者はEM菌に対して否定的で困る」と愚痴をこぼしていました。(北海道では北大系の研究者がしっかりとEM菌投入を阻止してくれているのだなと安堵したので、印象深く覚えています)

 この時に、同会がEM菌投入計画を中止した本当の理由は教えて頂けず、私はEM菌だと水質改善の目標達成に時間がかるので、短期間で効果がはっきりと出たマイクロナノバブルによる方法に軍配が上がってそちらが選択されたのだと理解しました。

 私はこれらの説明を聞きながら、沖田副会長による小池でのEM投入実験の場所が大沼近郊にあると思い込んでいました。元々函館の住民ではなく、地名を見ても具体的な場所まで把握できず、漠然と大沼の近くにある「試験沼」としての実施例の1つとしてイメージしていました。
 しかしながら、私が一番気になっていた点でもあった、大沼に直接EM菌を投入した事はないということは、念を押して確認をしていました。

 榊会長は、私にEM菌を直接大沼に投入するのは断念したので、別の活用方法として水質浄化設備に付着したヘドロ等の汚れを除去する洗浄剤として活用する方向での検討を予定していると説明をされました。その際、榊会長からEM菌を洗浄剤として活用する利点として、肌に刺激が少ないという作業上のメリットを教えられました。

 沖田副会長は素直にEM菌の提唱者である比嘉照夫氏の主張を受け入れており、EM菌から出される特殊な波動の存在を信じていました。比嘉氏は「EMの本質的な効果は、関英男先生が確認した重力波と想定される縦波の波動によるものと考えている」と主張しています。
http://www.ecopure.info/rensai/teruohiga/yumeniikiru05.html
比嘉氏のこうした主張は、現在も変わりません。
http://dndi.jp/19-higa/higa_100.php
 私はそうした考えに同調せず、ニセ科学系の「波動」の原点である「ラジオニクス」の歴史とそのカラクリが暴かれた経緯について解説をしました。

私の取材ノートの一部です。(黒塗りは個人名と個人情報)

 左側ページ上に書かれているのが、炭素繊維を用いた浄化設備の洗浄剤としてEM菌を活用する計画について榊会長から説明を受けたものです。
 右ページは、私が沖田氏にニセ科学系の波動について図解しながら解説をしたものです。私のブログで同様の説明をしています。
http://d.hatena.ne.jp/warbler/20120103/1325583083 

 この両名への取材を通じて、特に函館新聞記事の内容と矛盾した説明はありませんでしたし、同会の会長と副会長に直接話を聞いたので目的を十分に果たしたと判断して、当時はその他の会員には取材せずに終わりました。


【榊会長と沖田副会長からの要望書】

 榊会長と沖田副会長から2015年11月24日付で要望書が届き、2015年10月5日にSYNODOSに掲載された私の記事について、大沼水質改善委員会に関して誤った記述があるので記事訂正をするよう申し入れがありました。この要望書の宛名には、私が公表していない本名と住所が書かれていました。


【片瀬からの回答書】

平成27年11月27日
大沼水質改善研究会
会長  榊 清市 様
副会長 沖田 豊 様

サイエンスライター
片瀬久美子
**********************************回答書
質問1.
 大沼や試験沼でこれまで1滴もEMを投入しておりません。貴殿の書かれた内容はまったく事実に反します。なぜ、「試験沼にEM投入したが頭打ち」ということになるのでしょうか。その理由をお示し下さい。

回答1.
 私が大沼にEMを投入したと書いたと完全に誤認されています。実際は逆であり、私は『大沼@函館EM菌投入中』という情報がツイッターで流されているのに気づき、私から大沼には直接投入されていないという否定情報を直ぐに流しています。
 SYNODOS記事にも、大沼に投入したとは書いていません。

 榊会長からは、大沼の環境を模した「試験沼」でEM投入の実験をしていたと伺いましたが、実験室内での水槽レベルのものなのか、大沼とは別の(実験向きの)小さい沼などを使った、より実際に近い実験系(沖田副会長が黒松内町で行った小池での試験等)なのかの区別が曖昧であり、榊会長の説明を聞きながらそれらを混同してしまったかもしれません。
 しかしながら、「大沼自体にEM菌を投入した実験は行われていない」ことは念を押して確認をとっておりましたし、大沼にEMが投入されているとする誤情報を私が流した事実は一切ありません。

 私は榊会長から、EM投入は(予備実験として)それなりの効果は出ていたけれども、この方法だと時間がかかりそうなので、即効性が期待されるマイクロナノバブルによる方法の検討に切り替えたのだと説明を受けておりました。EM投入だと効果がでるのに時間がかかるというのを、「EMを投入し続けても水質の指標は途中から頭打ちとなり期待したほどの効果は出なかった」という意味だと理解しておりました。


質問2. 
「EMを直接大沼に投入するのは断念した」と説明しているのは、貴殿が取材に応じたという代表者の話ですが、文脈から、大沼水質改善研究会の代表している私、榊のことをおっしゃっているのでしょうか。私は、一言もそんなことを申し上げていません。なぜ、こうなったのか、その理由をお聞かせください。

回答2.
「この団体はEMを直接大沼に投入するのは断念し、2011年からは別の対策方法の検討に切り替えています。」と書いた部分についてですが、榊会長は、大沼水質改善研究会で当初計画されていたEM投入活動は、同研究会メンバーの専門家の意見もあり、その実施を断念したと私に説明されました。「別の対策方法」というのはマイクロナノバブルによる方法を指しています。そして、直接投入をしないことにしたEMの活用方法として、****の*****が実験している炭素繊維による水質浄化設備などに付着したヘドロ等の汚れを分解する洗浄剤として活用する方向で検討を予定していると説明をされました。その際、榊会長からEMを洗浄剤として活用する利点として、肌に刺激が少ないという作業上のメリットを教えて頂いております。

 同研究会メンバーの******にも確認しましたが、当初に計画されたEM投入は大沼に流れ込む河川への投入を含めて全て中止されています。その理由についても説明をして頂きました。同研究会の会合で正式に議論されて出された結論だと聞いております。なお、2015年11月18日付DNDメルマガ記事に書かれている榊会長の「これからやろうとしているのに」というご発言に対しては、****に確認をとりましたが同研究会の会合では大沼水系へのEM投入の話題は新たに出ていないし、会員である****にもそのような連絡は来ていないとのことです。


質問3.
「実例として」と指摘されている部分は、重大な虚偽にあたります。研究会の信用にもかかわりますので、記事の訂正をしていただけないでしょうか。

回答3.
「北海道の函館近郊にある大沼の水質改善に取り組んでいる市民団体が試験沼でEM投入の効果を試しましたが、EMを投入し続けても水質の指標は途中から頭打ちとなり期待したほどの効果は出ませんでした。取材に応じて頂いた代表者によると、この団体はEMを直接大沼に投入するのは断念し、2011年からは別の対策方法の検討に切り替えています。」
 という記載部分に対して、
『私は当該市民団体の会長から、EM投入は(予備実験として)それなりの効果は出ていたけれども、問題の1つとして、この方法だと時間がかかりそうなので、即効性が期待されるマイクロナノバブルによる方法の検討に切り替えたのが理由としてあるとの説明を受けていました。EM投入だと効果がでるのに時間がかかるというのを、「EMを投入し続けても水質の指標は途中から頭打ちとなり期待したほどの効果は出なかった」という意味だと理解しておりました。よって、「実例として、」からの部分を削除いたします。
 ただし、同会の専門家メンバーである*******の******に取材した内容を新たに記事として書かせて頂くことにしました。
 なお、この記事で「試験沼」としたものは、「大沼の環境を模した実験系」という意味で厳密に使っており、大沼自体へのEM投入とは区別していることを申し添えます。』
という訂正の説明を書いた上で榊会長に取材した内容に棒線を引く形で削除いたしました。

 私は榊会長らからの要望に従い、事実と異なるとされた記事の部分について棒線を引く形で削除し、削除理由を付記する対応をとりました。


【片瀬からの要望書】

 また、この件に関してDNDメルマガの出口氏の記事に、榊会長と沖田副会長による私の取材に関する事実と異なる証言が多数掲載されていましたので、それに対する私からの要望書を同封して返送しました。

平成27年11月27日
大沼水質改善研究会
会長  榊 清市 様
副会長 沖田 豊 様

サイエンスライター
片瀬久美子
**********************************要望書

 11月18日付DNDメルマガ記事 http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm151118.php において、榊会長と沖田副会長の証言として、片瀬久美子が両名に取材をした際に、「電話がかかってきてね、確か大学教授とか、言っていた」「片瀬は大学教授を名乗っていた」「たまたま夫の出張の関係では函館に立ち寄ったと説明」「「EMが好きで興味があるので…」と話していた」「4月下旬、函館市の地域交流センターの会議室で…(途中略)…盛んにヤジを飛ばす女性がいた。それが片瀬だというのだ」「女性は講演の妨害となるようなヤジを3-4回繰り返していたら…(途中略)…女性は係員に会場からつまみ出されたが、休憩後に舞い戻って席についていた」「名刺には、電話番号や住所の記載はなく、「函館在住」の事実も明らかにしていなかった」等の記述が書かれております。いずれも事実無根であり、遺憾に思います。


要望1.
「電話がかかってきてね、確か大学教授とか、言っていた」「片瀬は大学教授を名乗っていた」に関して、こうした証言を出口俊一氏にしたのは事実でしょうか? もし、そう証言されたのであれば、事実に反しますので撤回して下さい。

 私が博士(理学)の学位を有していることで、大学教授だと誤認をされた可能性も考えられますが、大学教授だと肩書を偽って取材した事は一度もありません。サイエンスライターだと名乗り、その通りの肩書の名刺をお渡ししているはずです。また、博士(理学)というスペックだけで、サイエンスライターとしては充分であり、肩書を騙る必要性もありません。


要望2.
「たまたま夫の出張の関係では函館に立ち寄ったと説明」に関してですが、私は自分も函館市内に住んでおり、何かあれば直ぐにお会いできるのでお気軽にご連絡下さいとお伝えしていたと記憶しています。もし、この様な証言をされたのが事実でしたら、そちらのご記憶の間違いではないでしょうか? これにつきましても、そう証言されたのであれば、撤回して下さい。

 ご両名にお渡した名刺には、私のブログのURLを記載してあり、ツイッターのアカウントも明かしております。ツイッター開始当初(2010年)から私が函館在住であることを何度も書いており、そんな嘘をつけばすぐに分かってしまうことですし、居住地を敢えて伏せる理由はありません。


要望3.
「「EMが好きで興味があるので…」と話していた」に関して、こうした証言を出口俊一氏にされたのは事実でしょうか? もし、そう証言されたのであれば、事実に反しますので撤回して下さい。

 私は取材の理由を「EMに興味がある」とお話ししていたかもしれませんが、「EMが好きだ」ということは話していないと思います。EMの効果について波動による説明などがされている事に対して、私が懐疑的・批判的である事は、沖田氏にニセ科学系の波動の原点である「ラジオニクス」の歴史とそのカラクリが暴かれた経緯について説明をした事からも自明だと思います。私はEM提唱者である比嘉照夫氏によるEM効果の説明や放射能消去などの主張に批判的な態度を隠して取材をしておりません。


要望4.
「4月下旬、函館市の地域交流センターの会議室で…(途中略)…盛んにヤジを飛ばす女性がいた。それが片瀬だというのだ」「女性は講演の妨害となるようなヤジを3-4回繰り返していたら…(途中略)…女性は係員に会場からつまみ出されたが、休憩後に舞い戻って席についていた」に関してですが、もし、そう証言されたのであれば、具体的に誰による何についての講演会なのかご指摘下さい。
 また、私は過去に一度も講演会でヤジを盛んに飛ばしてつまみ出された事はありません。別人と間違えているか、ご記憶違いがあるのではないでしょうか? 私が当該講演会でヤジを盛んに飛ばす妨害行為をしてつまみ出されたと証言されたのであれば、事実に反しますので撤回して下さい。


要望5.
「名刺には、電話番号や住所の記載はなく、「函館在住」の事実も明らかにしていなかった」に関してですが、私がご両名にお渡しした名刺には、連絡先としてメールアドレスが記載されております。私は普段は携帯電話を使わないので電源が切れていることも頻繁にあるため、確実に連絡できる方法としてメールアドレスを名刺に記載しています。
 また、「函館在住」の事実を明らかにしていなかったという証言についても、要望2で説明した通り、函館市内に住んでいることはお知らせしていたと思います。


要望6.
 私(片瀬久美子)はサイエンスライターとしての活動をこの名前で行っています。郵便局にも片瀬久美子で郵便物が届くように手続きをしています。どうして片瀬久美子宛てではなく、*****宛にして要望書を出されたのでしょうか?
また、*****としての個人情報は、どこにも公表しておりません。片瀬久美子の本名及び住所はどの様にして入手されたのでしょうか? 個人情報管理上の問題として、片瀬久美子の個人情報を入手した経緯について教えて下さい。正規に入手した情報ではないのでしたら、大変遺憾に存じます。


 要望1〜5について、もしご両名がその様な証言をされていない場合は、当該DNDメルマガの著者である出口俊一氏の誤りですので、いずれにせよ記事の訂正を申し出て下さい。

 以上の6点につきまして、誠意ある回答を2015年12月3日まで片瀬久美子宛てに郵送にてご送付ください。


【榊会長と沖田副会長からの返答1】

 「当会への要望書として質問が6つありましたが、この件につきましてはメルマガ記事の通りでございます」との返答でしたが、私からの要望に対する回答となるものは当該メルマガ記事には1つも見当たりませんでした。また、榊会長らからの要望に従って訂正をした事に対して、新たに謝罪を要求してきました。
(榊: 訂正していただけないか →片瀬: 訂正しました→ 榊: 訂正するなら謝罪すべき)

 また、私に対する要望書では『「EMを直接大沼に投入するのは断念した」…私は一言もそんなことを申し上げていません』と断言しておきながら、この返答1では『私どもは…EM投入を見送っております』とされています。
 言葉を「断念した」から「見送る」と変えてはいるものの、実質的にEM菌投入を中止したという同じ意味です。「断念した(EM菌投入を中止した)とは言っていない」から「見送って(EM菌投入を中止して)おります」と、まるで言葉遊びをされている様です。
 また、榊会長の「これからやろうとしているのに」という発言についても、「同研究会の会合では大沼水系へのEM投入の話題は新たに出ていないし、会員である****にもそのような連絡は来ていない」という指摘に対して都合が悪いのか無視されています。
この様に、極めて不誠実な返答内容でした。

 私は榊会長から函館新聞記事に書かれている「同会は、水質改善に効果があるとされるEM菌を活用した実験を中心に行ってきた」という記述と合致した説明をされていたので、私がそれに従ってEM菌の効果を調べる予備実験を行っていたとする内容を記事に書いたことに対して、大沼の水質改善のために予備実験として「試験沼(大沼を模した実験系という意味だと説明済み)」などにEM菌を投入したことはなく、虚偽であるので謝罪をせよと要求してきました。EM菌の効果を実証した資料として渡された沖田副会長の『すこやかくん通信』平成22年07月号は、一体何だったのでしょうか?

 他の会員への追加取材によって「大沼水質改善研究会」ではEM菌投入は中止されたので、水質浄化に関するEM菌を使った実験は検討しても無駄になるのでやっておらず、少なくとも同会の活動の中心ではなかったことが確認できました。EM菌による水質改善の実証例として説明された沖田副会長による下水処理場での試験や小池での試験は、同会発足前に実施されたものであり、正確には同会によるEM菌を活用した実験とは言えないとのことでした。函館新聞の記事で「同会では、水質改善に効果があるとされるEM菌を活用した実験を中心に行ってきた」と記述された部分は間違いだったのです。

 この函館新聞の記事は、私が榊会長に取材した際に、この記事の内容で間違いはないかと最初に確認したものであり、榊会長はそれで間違いはないと肯定されていました。後になってから、同会がEM菌を使った予備実験をしていたと私が書いたのは虚偽であり、同会への信用にかかわると苦情を申し入れてきたのは、矛盾しています。
 函館新聞社に確認しましたが、この函館新聞記事に関して「榊会長、沖田副会長の両氏から、掲載日から今日(2015年12月8日)にいたるまで、クレームなどは一切ありません」との回答を頂きました。

 榊会長らは、「同会はこれまで、水質改善に効果があるとされるEM菌を活用した実験を中心に行ってきた」と書かれた函館新聞の記事を知っていながら4年以上放置したままで、1か月前に書かれた私の記事に対しては虚偽であるとして削除と謝罪を要求してくるという一貫しない行動をとっています。


【片瀬からの督促状】

再度私から、誠実に応じて頂くように要望する、次の督促状を送りました。

平成27年12月7日
大沼水質改善研究会
会長  榊 清市 様
副会長 沖田 豊 様

サイエンスライター
片瀬久美子
**********************************督促状

 私からの要望書にて2015年12月3日までの送付期限で、ご両名に6つの要望に対する誠意ある回答を求めました。これに対して2015年12月3日消印の簡易書留で届けられた回答書には、メルマガ記事の通りであるとしかご回答を頂けませんでした。
 このメルマガ記事というのは、2015年11月18日付と同年11月27日付のDNDメルマガ記事との理解でよろしいでしょうか?確認してみましたが、いずれの記事においても、私からの要望の回答となる内容は記載されておりませんでした。

該当するDNDメルマガ記事には、
(1)私が渡した名刺の肩書きがサイエンスライターとなっている事実、
(2)渡した名刺には私のブログのURLが記載されツイッターアカウントも明かしており、私が函館に住んでいることはそれ以前から何度も書いているので、函館に住んでいないと嘘をついても意味がないという事実、
(3)私がEMに対して批判的な態度を隠さず沖田副会長にニセ科学系の波動の虚偽について解説をしていた事実、
(4)私がつまみだされたとされる講演会名
(5)連絡先として名刺にメールアドレスが記載されていた事実、
(6)私の個人情報の入手方法、
等について全く書かれておりませんので、回答として成立しておりません。

 つきましては、2015年11月27日付の私からの要望書に対する誠意ある回答を2015年12月11日までに再度郵送にてご送付下さい。なお、次回も誠意ある回答を頂けなかった場合は、ご両名から送付されました要望書及び回答書を全て公開させて頂きます。

 またSYNODOS記事に削除として棒線を入れた部分の完全削除と謝罪を要求されておりますが、私に関する事実無根の証言を撤回されず、さらにご両名の証言としてDNDメルマガに書かれた私の信用棄損となる虚偽の流布を肯定されていることからも、ご両名の対応には誠実さが微塵も感じられません。よって、一方的な削除と謝罪の要求を受け入れることはできません。

 私のSYNODOS記事には******に追加取材をして次の追記を本文に入れました。この追記は2015年12月3日に行っております。
「北海道の函館近郊にある大沼の水質改善に取り組んでいる市民団体(大沼水質改善研究会)の事例を紹介します。この研究会の発足時にはEM菌投入が計画されておりましたが、大沼に流れ込む河川への投入を含めて全て計画段階で中止されました。その理由として環境保全の観点から外来微生物の投入は止めるべきであるし、EMを構成する微生物の種類が全て明かされておらず、大沼という開放系で不明な微生物が混ざった微生物資材を使うことで何が起きるか保証ができないとして反対する意見が会員から出され、同研究会で議論された結論として計画を中止してEM菌投入はしない事になりました。この研究会では水質改善として在来の菌を活性化させる方向が望ましいと方針を変え、新たな対策として水中に不足している酸素を供給できる細かい空気を送り込む装置により酸素濃度を高めた水を投入して試験したところ、元々沼に生息していた好気性菌(活動に酸素を必要とする菌)が活性化して水質が有意に改善されました。」

 他の会員に追加取材をしてEM菌投入を中止した本当の理由を教えて頂けたので、私の記事に削除した部分と置き換える形で本文に追記をしました。同会がEM菌投入を中止したのは、「環境保全の観点から外来微生物の投入は止めるべきであるし、EMを構成する微生物の種類が全て明かされておらず、大沼という開放系で不明な微生物が混ざった微生物資材を使うことで何が起きるか保証ができない」という、水質改善効果云々以前にそもそも使用できないという致命的な理由によるものでした。

 榊会長と沖田副会長は、EM菌による大沼の水質浄化を目的として同会を立ち上げました。しかし、会員である環境活動の専門家からEM菌にダメ出しをされてしまい投入計画を実施できませんでした。EM菌によって大沼の水質浄化ができるという期待を捨てきれない榊会長らは、私にEM菌投入が中止された致命的な理由をはっきり伝えずに別の理由で説明して曖昧にしていました。これは憶測ですが、函館新聞の記者にも私と同様な説明をしたので、その記者も私と同様な誤認をして記事を書いてしまった可能性があります。
 函館新聞社に問い合わせたところ、その記事を書いた記者は既に退職しており、連絡がつかなくなっているとのことです。「水質改善に効果があるとされるEM菌を活用した実験を中心に行ってきた」と書かれた経緯を確認することができず、とても残念です。


【榊会長と沖田副会長からの返答2】

 2回目の返答も、私からの要望書に対する回答が全くなく、榊会長らからの一方的な主張のみでした。
 2013年に開催された「Japan Skeptics」による公開討論会で、私は大沼に直接投入していないという説明をしています。また、私のこの時の説明を一部聞き漏らして大沼にEM菌を投入していると誤解してツイッターに書き込んだ人がいたのに気付き、大沼には直接投入していないと再度説明を行っています。私はその討論会には取材した資料を持参していなかったので、正確な説明はできておりませんでしたが、この返答書に書かれている討論会での私の発言の書き起こしでも、大沼とは別の小さな湖になっている「(試験)沼」(←書き起こした人が「試験」という言葉を聞き取り損ねたのではないか)で実験したとしており、大沼に直接投入したとは言っていません。

 また、彼らがDNDメルマガで証言する通りに私が大学教授だと名乗って騙すつもりであったならば、渡した名刺には「〇〇大学教授 片瀬久美子」という肩書が書かれていないと辻褄が合いません。サイエンスライターという肩書の名刺を渡しているのに、私が大学教授だと名乗ったというのは矛盾しています。

 それに、私がヤジを盛んに飛ばして講演会の会場からつまみ出されたと主張するならば、その講演会名を明らかにしないのも変です。どの講演会か特定されないと、過去につまみ出された事がないとはいえ、私から身の潔白を証明することが困難です。沖田副会長の証言が真実ならば、どの講演会かを明かせば第三者の証言もさらに得られるので有利なはずなのに、どうして頑なに伏せるのでしょうか? 私がつまみ出されていないとする証拠が出されてしまうと嘘が発覚してしまうので講演会名を隠しているのでしょうか?

 榊会長と沖田副会長は、都合よく主張を変え、私からの大事な指摘を無視し、肝心な事について黙り、彼らが流布した私に関するかなり酷い、私のライターとしての信用棄損となる虚偽に対しては全く訂正も謝罪もしようとせず、誠実さのかけらも感じられません。その一方で、私が彼らの要望に応じて誠実に記事の削除・訂正をした事に対して、訂正するならば謝罪せよとさらに要求をしてきました。自分たちの不誠実は棚に上げ、こうして相手に次々と要求をしてくるやり方は、紳士的とは思えません。

 彼らが主張する「片瀬が大沼にEM菌を投入したとデマを流した」という事実はありません。彼らは、私が『大沼@函館EM菌投入中』とネットで拡散しているというガセネタにまんまと踊らされたことを誤魔化すために、私が榊会長から説明されていた「試験沼」にEM菌を投入する実験をしていたと伝えた事を根拠に、「大沼に投入したと嘘をついた」と強弁しています。榊会長らはEM菌投入が中止された本当の理由を伏せて曖昧な説明をしたことで私の誤認を導き、その挙句に私を嘘つき呼ばわりするのは、陥れをしたのと同然です。

 私が既に削除訂正したものを含めて、私の関連記事や発言には特定の人物を名指して誹謗中傷する内容は含まれておりませんし、大沼水質改善研究会を貶める意図もありません。それに対して、榊会長と沖田副会長、および出口氏は私を名指して名誉棄損となる多数の誹謗中傷を少なくとも3回のDNDメルマガ記事で繰り返し執拗に書き立てています。悪質なのは果たしてどちらでしょうか?

※私からの督促状で「次回も誠意ある回答を頂けなかった場合は、ご両名から送付されました要望書及び回答書を全て公開させて頂きます」と申し伝えた通り、ここに公開させて頂きました。


【補足1】
 出口俊一氏は「片瀬が『大沼@函館EM菌投入中』とネットで拡散している」というガセネタを元に、一連の誹謗中傷記事を次々と書きました。出口氏は、榊会長と沖田副会長に、大沼水質改善研究会が大沼にEM菌を投入したという嘘を私が広めているという話を信じ込ませることで彼らの協力を得て、DNDメルマガ記事に両名の顔写真を何枚も掲載して私の悪行の数々を彼らが証言しているとして私に対する誹謗中傷を行っています。このように他者に証言させる形で個人攻撃を行う出口氏のやり方はとても悪質です。その証言が事実無根だと判明すれば、自分も騙されたのだとして責任逃れをすることが可能です。利用された側は、こうした事に気付いているでしょうか?


【補足2】
 沖田副会長が黒松内町で実施した小池でのEM菌投入による水質改善の実証例については、本当に水質が改善されたのか疑問があります。
『すこやかくん通信』平成22年07月号に記載された関係部分です。

 この池は人工的に作られたことからも小さい池だと思われます。EM菌を投入するとアオコの発生が少なくなったと報告していますが、こうした小さい池にEM菌を投入してアオコが消えるケースについては、次に紹介する信州大学山岳科学総合研究所 花里孝幸教授の指摘があります。

・花里孝幸著「ネッシーに学ぶ生態系」2008年 岩波書店
第2章アオコ退治の落とし穴 4有用微生物は正義の味方か? より引用
(文字の色付けは片瀬による)

(P75 1行目〜)
 もうひとつ、微生物を用いた水質浄化対策の問題について考えてみる。この方法では、その効果を確かめるため、実際にその微生物を小さな池に投入する実験が行われているようだ。その結果、それまで緑色に濁っていた池の水が澄んだという写真を見せられたことがある。すると、池に投入された微生物が実際に植物プランクトンを退治したのであろうか。いや。私はそう思わない。どうも水質浄化効果があるといわれている微生物は酸性環境を好むようで、それはpHが3〜4といった強い酸性の液に入れられているようである。そして、水を浄化するために、菌と共にこの酸性水を大量に池に入れられているようである。もしそれが正しければ、それによって池の水のpHは一時的にでも下がったにちがいない。

(P75 17行目〜)
 まず、水質汚濁問題の原因物質であるラン藻はアルカリ性の湖水を好み、その水が中世(pH7)に近づくだけでかなり現存量を減らしてしまう。湖水のpHがさらに下がって6を下回ると多くの魚が生きていけなくなる。ダニファなどの大型ミジンコはpH5で強いダメージを受け、植物プランクトン群集も現存量を大きく減少させるようになる。その結果、湖水は透明度を増す。
 すなわち、湖が酸性化すると湖水は澄むのである。しかし、これは人間が望んだ、飲めるようなきれいな水をたたえる湖になったのではなく、多くの生物が棲めない死の湖になったのである。
 微生物を大量に投与して水が澄んだ池の写真を見たとき、私は死んだ池の姿を見たような気がした。水質浄化を企てた人々は、生物が棲めない池をつくるつもりだったのだろうか。浄化に利用しようとしている微生物が池や湖の中でどのように振る舞うのか、それによってどのように水質浄化に寄与するのか、そのメカニズムを知らずに、見かけの結果だけから浄化効果を判断するのは大変危険なことなのである。

EM菌の培養液は約pH 3.5ですので、花里教授が言及している「微生物」と合致しています)
 EM菌投入によって水質改善ができたかどうかを判断するには、アオコが消えたという現象だけではなく、水質を示す各種の計測値のデータの変化を示すことが必要です。


【補足3】
 DNDメルマガ記事(2015年11月18日付)でEM菌投入により水質改善効果があった事例として紹介されている2005年11月7日付の函館新聞記事では、「炭効がEM菌で五稜郭公園の小堀の浄化成功」という記事タイトルで、小堀の水質浄化に成功した業者(有限会社炭効)が本堀へのEM菌投入に意欲を見せている様子が報じられています。
http://www.ehako.com/news/news/6054_index_msg.shtml 
 この件について函館市の土木部に確認をしたところ、「小堀の水質が良くなったのはEM菌を入れた効果よりも、途中で堀の底部のヘドロを除去した効果によるものが大きかったかもしれず、EM菌を投入せずにヘドロを除去した場合の水質変化と比べてみないと、どれだけEM菌投入効果があったか判断できない」という見解でした。

 この件は、EM菌投入効果を検討するために函館市の土木部との打ち合わせをする会議が行われましたが、途中から業者(炭効)が出席しなくなり、本堀への投入計画は立ち消えになったとのことです。よって、EM菌の効果の検証が中途半端のまま、結局うやむやになってしまった様です。その業者がEM菌によるお堀の浄化作戦を止めてしまった理由は不明です。

 この記事では、「二の橋を渡り、左にある小堀は、以前から水質汚濁がひどかったが、最近は生まれ変わったように水が透明になり、肉眼で底が見えるほど堀が美しくなった」と報告されていますが、このケースでも【補足2】で解説したように、EM菌培養液(EM活性液)の投入によって小堀の水が酸性化し澄んだ可能性があります。


【補足4】
マイクロナノバブルによる水質浄化試験で使用された「試験沼」は、大沼とは板で閉鎖された状態で試験が実施されています。
次に示すのは、渡島総合振興局に提出された報告書の図です。

「大沼湖水浄化予備実験」門上技術開発研究所 門上洋一
《サンプル採取地点》

大沼公園で環境活動を実施するには、竹竿一本立てるにしても、北海道の環境局生物多様性保全課に申請する必要があります。さらに七飯町・大沼合同遊船・大沼漁業協同組合からも同意書をとる必要があります。マイクロナノバブルの試験は最終的に渡島総合振興局環境生活課が許可を出したので、そちら(渡島総合振興局宛)に報告書が提出されています。この様にして、大沼公園での環境活動は厳格に審査されることで管理が行われています。


【補足5】
・花里孝幸著「ネッシーに学ぶ生態系」2008年 岩波書店
第2章アオコ退治の落とし穴 4有用微生物は正義の味方か? より引用
(文字の色付けは片瀬による)

(P76 11行目〜)
 この微生物を用いた水の浄化についてもうひとつ付け加えたい。
 この微生物が水質浄化に効果がある証拠として、台所のシンクやトイレの汚れた部分にそれを含んだ水をかけたときに、汚れがすぐに取り除かれる様子が示されることがある。ここでの汚れとは、食べ物や便などの有機物の一部が残り、そこでバクテリアなどの微生物が増えたものだろう。そこに微生物入りの水溶液を与えたところ、汚れがすぐになくなったのならば、それは微生物の働きではなく、酸性水のためだろう。いくら増殖速度の速い微生物でも、一瞬にして汚れの原因となる有機物は分解できない。

 これは、プール清掃にも当てはまります。
 私もこの花里教授と同じことを考えています。以前書いたブログでも、「プールの汚れがEM発酵液で落ちやすいと感じるのは、この発酵液は酸性なので、拭き掃除にお酢やクエン酸などが使われるのと同様の効果による可能性があり、EM菌の働きそのものは関係ないのではないかと推測されます」と指摘しています。
http://d.hatena.ne.jp/warbler/20130428/1367131822

※なお、EM菌提唱者の比嘉照夫氏は、「EM研究機構の同意なしには、勝手に試験をして、その効果を判定する権限もありません」と宣言しています。
http://www.ecopure.info/rensai/teruohiga/yumeniikiru62.html 
 第三者による検証を拒む比嘉氏のこうした態度は、科学者とは言えません。

 私がこのブログ( http://d.hatena.ne.jp/warbler/20130428/1367131822 )で、
「EM菌の提唱者である比嘉氏がEM菌の効果について非科学的で荒唐無稽な主張を繰り広げており、それを科学的であるかの様に宣伝している問題があります」と指摘したのは、比嘉氏がEMの効果を怪しげな波動で説明しているだけではなく、『EM商品のニセ科学性について』で紹介した様に、荒唐無稽なEM菌の宣伝をしていることも含まれます。
http://d.hatena.ne.jp/warbler/20150707/1436231198 
 比嘉氏は、「何かいいことや、危険から身が守られたり、最悪な状況が、逆に力となって最善の結果が現れた場合、それらはすべてEMのおかげであると考えることがスタートです。すなわちEMは神様だと考えることです」として、数々の非科学的な効果を主張しています。
http://www.ecopure.info/rensai/teruohiga/yumeniikiru74.html 
 他にも、比嘉氏はEMを飲めば「網膜色素変性症」「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」も良くなるなど、医学的にも怪しいことを主張しています。
http://joy-healing.jp/readings/special/13.html 
 本当にこれらの難病に効果があるならば、とっくに医療現場に広く取り入れられているはずです。1995年には、病院の薬を使わずにEMXというEM商品を皮膚に塗り続けたガン患者が死亡した事例も報告されています。
 藁にもすがりたい患者に、さも効果があるかのように宣伝して商品を売りつけるやり方は批判されても仕方ないでしょう。


【補足6】
私のEM批判記事の中で、もっともよく読まれている記事の1つです。
「EMなどのニセ科学とどう向き合うか 」(第三文明 2013年12月22日掲載)http://www.d3b.jp/society/2956
私は、様々な人達に広く意見を伝えるために、色々な媒体を通じてニセ科学批判の記事を提供しています。