EM菌に含まれる微生物の解析ーまとめー

※細菌叢の再解析結果をもとに、一部の情報を更新しています。

EM菌に含まれる微生物の解析ー細菌類ーその2 - warbler’s diary

↑こちらの「最新情報」もお読み下さい。

 

【実験材料と方法】

Part1 細菌のメタ16SrRNA解析結果

Part2 真菌のメタITS解析結果

 

※微生物資材EM1に含まれている可能性の高い微生物

f:id:warbler:20181206210509p:plain

(注)アセトバクタ―科の細菌については、同じものが糖蜜培地からも検出(存在比率0.003%)されており 、糖蜜由来でありEM培養液(活性液)中の環境が適していたので顕著に増えた可能性もあります。また、この細菌のシーケンスデータを取り出して解析(Blast)して、アセトバクタ―科に属する光合成細菌(紅⾊⾮硫⻩細菌の一部)ではないことを確認しています。

 

※EM1活性液から「紅⾊⾮硫⻩細菌」(光合成細菌)は検出されませんでした。

 

(情報追記)

一般的に「紅色非硫黄細菌」は、酸性条件(pH5以下)では生存が難しいとされます。EM1活性液pHは3.5以下ですし、EM1原液pH3.5以下になっており、EM菌の主体として入っているとされる「紅色非硫黄細菌」(イーエムテックフクダのHPで公開されている情報によると、Rhodopseudomonas Palustris とRhodobacter Sphaeroides)の生存には適さない環境となっています。

 

『微生物資材の土壌肥料学的評価』1999

土と微生物(Soil Microorganisms) Vol. 53 No. 2, pp. 91~101 (1999)

後藤逸男(東京農業大学)より

f:id:warbler:20181220175838p:plain

 

『光合成細菌 採る・増やす・とことん使う』(農文協 2015年出版)

第2章 P36~37より

f:id:warbler:20181220174824p:plain

 

※EM1原液もEM活性液も酸性であり、原液の保管中や培養中に「紅色非硫黄細菌」が死滅している可能性が考えられます。

 

(参考1)

デッケラ属の代表種であるDekkera bruxellensisは酵母の仲間で、グルコース存在下で培養すると酢酸を生成する。野生では果実の皮などに多く存在している。

 

(参考2)

光合成細菌の専門家の見解

『光合成細菌 採る・増やす・とことん使う』(農文協 2015年出版)第1章 P29より

f:id:warbler:20181212143917p:plain

f:id:warbler:20181212143330p:plain

(参考3) 過去の文献

 

【EM1活性液に含まれる主な細菌】

※存在比率の数字:

赤色=EM1添加で顕著に増えた細菌

茶色=糖蜜培地と共通(糖蜜由来)

= EM1添加で顕著に減った糖蜜由来の細菌

f:id:warbler:20181206212422p:plain

 

f:id:warbler:20181206212145p:plain

 

1. EM1活性液で増えたアシネトバクター属の細菌の仲間は、「日和見感染」を起こすことが知られています。

東京都感染症情報センター » アシネトバクター感染症 acinetobactor infection

「アシネトバクターは細菌の一種で、モラクセラ科アシネトバクター属に分類されます。アシネトバクター属には多くの種があり、その全てがヒトに対して病気を引き起こす可能性があります。」「アシネトバクターは肺炎から敗血症まで様々な疾患の原因となり、症状も多彩です。」

(ご注意)

EM菌による「健康法」として、EM培養液(EM活性液)を「非加熱で飲食」する行為、「点眼」や「肺に吸入」したり「膣洗浄」するなどの行為がみられますが、特に易感染者(持病等により免疫系が弱っている方々、高齢者、乳幼児など)は止めておいた方が良いと考えます。

 

(追記)※このブログ記事に、東京都感染症情報センター の「アシネトバクター感染症」に関する解説を引用したのは、学術論文とは違い、このブログ記事を読むと想定される一般消費者に対する注意喚起の趣旨からです。

 

EM菌培養液で繁殖することが分かったアシネトバクターに関して、今回検出されたアシネトバクター属の細菌が日和見感染する危険の度合いは不明ですが 、EM1をご家庭で培養する際に、環境中からコンタミしたアシネトバクターが危険性の高いものであれば、それも繁殖する可能性があり、注意が必要です

日和見感染を起こしにくいタイプのアシネトバクター属の細菌があるからといって、偶然性が大きいコンタミ(培養液への紛れ込み)によって、どのタイプのアシネトバクターが繁殖するかは不確定なEM1培養液(活性液)の安全性が保証されたことにはなりません。一般家庭では、無菌操作できるクリーンルームやクリーンベンチがないので、EM菌を培養する際に環境中の様々な菌がコンタミする可能性は高くなります。ですから、今回の解析結果を踏まえた上での注意喚起は必要だと考えます。(EM菌を貶すために、大げさに書いているのではありません)

 

2. EM1活性液でエンテロバクター科(腸内細菌科)の細菌が増えていますが、この仲間には大腸菌・赤痢菌・サルモネラ・ペスト菌などの病原菌も含まれています。この結果は、EM1活性液で「サルモネラ菌」や「大腸菌」の増殖を抑えることができなかった事例の裏付けになると考えられます。

以下にそうした事例を紹介します。

 

2a. 養鶏場で消毒薬の代わりにEM培養液を散布していたら、サルモネラ菌が増えてしまった事例

 

2b. EM培養液を投入し続けても大腸菌が増えている日本橋川の事例