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「ある大学で起きた研究不正についての実例」の補足

「ある大学で起きた研究不正についての実例」
http://d.hatena.ne.jp/warbler/20131207/1386394597
で紹介した事例について、学術振興会から状況の説明をして頂いております。
日本学術振興会研究助成第一課の担当者に公表の了解を得られましたので、掲載します。

日本学術振興会としての見解として回答して頂いていますので、担当者の個人名は出しません。
また、当事者のお名前も、Aさん・B教授としておきます。
個人特定になりそうな部分については、省略しました。

最初に、日本学術振興会の「お問い合わせフォーム」から質問をしました。(2013/09/09)
質問内容は、次の3項目です。

1.B教授は、これまでに発覚した論文不正に関して科研費の返還はされた事があるのでしょうか?
2.B教授は2013年度の基盤研究(*)を得ていますが、特に問題はないのでしょうか?
3.一方で、B教授の研究室に助手として在籍していたA准教授は、その後5年間申請資格を失うペナルティーを受けているとの情報を得ましたが、事実でしょうか?

日本学術振興会からの回答

2011/09/19 12:34
【回答】X大学研究不正について

片瀬 久美子 様

日本学術振興会研究助成第一課の**と申します。
日本学術振興会において、科研費の担当をしております。

平成25年9月9日にお問い合わせいただきましたX大学 B教授の件について、連絡が遅くなりまして大変申し訳ありません。
これにつきまして、以下のとおり回答いたします。

1.B教授の論文不正に関する科研費の返還について

御質問いただいた案件に関しては、現在、X大学において最終報告を取りまとめているところだと聞いています。
科研費の返還については、その報告書を受けて判断することになりますので、現時点で返還はされておりません。
なお、Y大学在職時の案件につきましてもX大学経由で報告をいただき、まとめて判断することになります。

2.2013年度基盤研究(*)について

交付制限の措置(ペナルティ)については、大学からの報告書を受けて、当会における検討委員会で決定し、有効となりますので、現時点では規程等に反しているということにはなりません。

3.A准教授のペナルティについて

A准教授に関しましても、B教授と併せて報告をいただくことになるため、現時点でペナルティはかけておりません。
なお、2010年度分の科研費返還については、都合により研究継続が困難になったとの申し出によるものであり、当該不正に対する措置ではありません。

以上です。
御不明な点等ございましたら、私までご連絡いただければと思います。
よろしくお願いいたします。

片瀬からの返答と質問

2013/09/19 22:08
Re: 【回答】X大学研究不正について

**様

ご回答、ありがとうございます。
現在、X大学において最終報告を取りまとめているところで、まだ結論が出ていないという事ですね。

(中略)

最終報告が出されるまで期限というものはないのでしょうか?
もし、無期限に引き延ばしが可能なのでしたら、うやむやに済ませてしまうことも可能になってしまうと思います。
日本学術振興会は、大学側が最終報告を出すまで、気長に待つしか対応はとれないのでしょうか。

(中略)

B教授の件は、X大学の対応が遅いことが一番の問題だと思いますが、関係者が中途半端な状態に置かれ続けていることで、他の研究者に対しても上述した様な悪影響がでています。
研究不正に対して、できるだけフェアな処分となる様に、公正さを示して頂きたいと思います。

よろしくお願い致します。


片瀬久美子

2013/09/26 19:28
Subject: Re:【回答】X大学研究不正について

日本学術振興会 研究事業部 研究助成第一課
**様

B教授の件でのX大学からの最終報告に関して、以下の問い合わせをさせて頂きます。

1.日本学術振興会では今後何年先までも最終報告の提出を待つ予定でしょうか?
2.提出期限を設けているならば、その期限を教えて下さい。
3.提出期限を設けていないのであれば、その理由は日本学術振興会が提出期限を決めることができないからでしょうか?それとも、何か別の理由によるものでしょうか?

以上、よろしくお願い致します。


片瀬久美子

2013/10/01/ 11:43
B教授の科研費返還状況についての再確認をお願いします

**様

B教授の論文不正に関する科研費の返還について、
科研費の返還については、その報告書を受けて判断することになりますので、現時点で返還はされておりません。」
というご回答を頂きましたが、

私が入手した資料によると、B教授は当該年度分については研究を中止し,残額分を返納したと書かれています。
この残額分の返納は事実でしょうか?
確認をさせて頂きたいと思います。


片瀬久美子

日本学術振興会からの回答

2012/10/04 18:14
【回答】Re:B教授の科研費返還状況についての再確認をお願いします

片瀬 久美子 様


日本学術振興会の**でございます。
返信が遅くなり申し訳ありません。
御質問をいただいた件について、以下のとおり回答いたします。

○報告書について

X大学においては、何度か追加調査等も行ったため時間がかかったようですが、不正そのものについては調査が終了しており、現在、科研費との関係を整理する形で報告書をまとめているところと聞いています。
現時点では、報告の期限について具体的に定めたものがなく、その規模、内容により相当の時間を要することも考えられますので、できるだけ早く提出するよう依頼しているところです。何年先までも待つということではありません。
なお、不正調査の期限を設定することについては、文部科学省における「研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」の中間とりまとめにおいても指摘されていることから、当会でも検討しているところですので参考までに申し添えます。

○研究費の返納について

B教授については、2010年8月に懲戒解雇の処分を受けたことにより、科研費の応募資格を喪失したため、当時実施中の課題を廃止し未使用額を返納しております。御質問の件は、このことを指しているものと思われます。
なお、この返納については、あくまでも懲戒解雇によりX大学職員ではなくなり、科研費の応募資格を喪失したことによるものであり、当該課題における論文不正との関係は別途整理されることになります。

以上です。
よろしくお願いいたします。

(2013年10月4日の時点で、X大学は「不正そのものについては調査が終了しており、現在、科研費との関係を整理する形で報告書をまとめているところ」であると日本学術振興会に返答していることが分かりましたが、X大学からはその後2ヶ月半以上過ぎてもまだ最終報告が出されていません)

片瀬からの返答

2013/10/04 18:39
Re: 【回答】Re:B教授の科研費返還状況についての再確認をお願いします

**様

ご回答、ありがとうございます。
日本学術振興会では、今後、不正調査の期限設定について検討されているということですね。
慎重な調査は必要なことですが、調査報告が引き延ばされることで、時間が経つほどにうやむやになったり、関係者が中途半端な状態に置かれ続けることで、様々な方面からストレスを受けるなどの弊害が大きくなってきますし、一定の期限設定はあった方が良いと思います。

研究不正への対処は、これから改善が進んでいくと期待しています。
いろいろと調整が大変だろうと推察しますが、よろしくお願い致します。

科研費の未使用額返納についても、論文不正とは別に処理されたということですね。
ありがとうございます。


片瀬久美子

片瀬から、日本学術振興会の回答を公開してよいかの確認

2013/12/0916:18
Re: 【回答】Re:B樹教授の科研費返還状況についての再確認をお願いします

**様

X大学のB教授が今年度新たに科研費を得ている件について、丁寧に状況の説明をして頂きましたが、これまでに頂いたご回答の内容を公表してもよろしいでしょうか?

日本学術振興会としての見解を述べて頂いておりますので、公表しても問題はないかと思いますが、念の為に確認をとらせて頂きます。


片瀬久美子

この後、どういう形にして公表するか、学術振興会の担当者に内容を確認して頂きました。
担当者の方から、補足説明をして下さいましたので、それについて追記します。

日本学術振興会より補足説明

2013/12/18 18:30
Re: 【回答】Re:B教授の科研費返還状況についての再確認をお願いします

片瀬様

日本学術振興会の**でございます。
御連絡ありがとうございました。
公表内容について、承知いたしました。

1点だけ補足させていただきますと、10月4日に回答している内容で、不正調査に期限を設けることについてですが、回答の中にも記載している、「研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」の中間とりまとめを受けて、文部科学省において「研究活動の不正行為への対応のガイドライン」の見直しの検討が開始され、年度内には改正される予定となっておりますので、それを受けて対応することになります。

文部科学省において「研究活動の不正行為への対応のガイドライン」の見直しの検討が開始され、年度内に不正調査に期限を設けることに改正される予定とのことです。