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ちょっと待って!EM団子・EM活性液の投入

EM関係 環境

2010年から、海の日にEM提唱者である比嘉氏が主導して、河川や湖沼、海などへの「EMの日・全国一斉EM団子活性液投入」活動が行われています。

今年は、投入目標量がEM団子100万個・EM活性液1000トンです。
昨年の投入実績は、主催者発表によると、EM団子 555,485個EM活性液 624,888Lでした。

これまでの規模(参加団体数・参加者数)は次の通りです。

福島県生活環境部生活排水対策推進指導員講習会資料』(抜粋)
http://d.hatena.ne.jp/warbler/20130712/1373605438
特に、この資料にある『微生物資材の水環境中での利用に関するQ&A』は、ぜひお読み下さい。とても参考になります。

にある通り、微生物資材による培養液を投入すると水質の悪化を招く恐れがあります。
同様な見解が、広島県岡山県などの公的機関から出されています。
http://d.hatena.ne.jp/warbler/20130428/1367131822

EM培養液である『EM活性液』はもちろん、
EMで作った「ぼかし」(有機肥料の一種)と「EM活性液」を土に混ぜて丸めて作った『EM団子』は微生物と有機肥料を含んでおり、大量に投入すると同様に環境への負荷が高まります

EMを河川や湖沼、海などに投入する行為は「EMによる環境浄化活動」として善意で行われていますが、こうしたイベントに参加する前に、本当に環境浄化の効果が期待できるのかどうか、立ち止まって考えて頂きたいと思います。

また、沖縄で開発された微生物資材であるEMを、他の地域の川や池、海に投入することで、元々その環境にはいなかったEMに含まれる微生物が在来の微生物と混在する状態になりますが、環境保全の観点から考えて、これは望ましい状態と言えるでしょうか。もし、在来の微生物がEMに含まれている微生物との競合に負けて姿を消してしまえば、本来の環境保全とは言えなくなります。EMを投入して解決しようとするのは、在来の微生物を含む複雑な生態系の事を忘れた安易な考え方でもあると思います。

環境の回復には、河川等に流入する汚水をなんとかしないと根本的な解決にはならないでしょう。
「○○さえ投入すれば、自然環境が汚れても挽回できる」という短絡思考は、環境を汚さない様に気を付ける気持ちが薄らいでしまい、環境保護活動として本末転倒になってしまいます。

福島県では、今年7月5日に、企画調整部文化振興課による「福島県民の日」の記念事業に、民間団体による『第4回全国一斉EM団子・EM活性液投入』活動が選定されました。しかし、福島県では福島民報の記事にある通り、2008年に県として「高濃度の有機物が含まれる微生物資材を河川や湖沼に投入すれば汚濁源となる」という見解を出していました。
この指摘を受け、7月9日に「河川等の水質保全に関する県の方針と整合を図るため、記念事業としては位置づけない」という判断が下され、記念事業からEM団子・EM活性液投入活動は除外されました。

記念事業として発表後に選定から外すという異例の判断を下したことは、選定から外された団体に対して苦渋の決断だったと思いますが、もし選定されたままでしたら「福島県認定の活動」としてEM団子・EM活性液投入活動がお墨付きを与えられた形で宣伝された可能性があり、英断だったと思います。

福島県が『EM団子・EM活性液投入活動』の認定を取り消したという今回の件は、他の自治体にとっても参考事例となると思われます。

また、民間グループが「EMの日・全国一斉EM団子活性液投入」イベントとして、神奈川県藤沢市の蓮池(絶滅が危惧される希少種である藤沢メダカが生息)に、この池を管理をする藤沢市に無断でEM団子・EM活性液を投入しようとしていたことが発覚し、藤沢市によって「EM投入は安全性が確認できない」として中止されました。
http://togetter.com/li/532280


(参考)杜の里から:自然水系に微生物資材を投入するというのはどういう事か
http://blog.goo.ne.jp/osato512/e/313967c04188749cfbd9afece328fbde