福井県によるEM菌の水質改善効果の検証結果の紹介
福井県は、平成12~14年度にかけて、地元の環境保全団体(三方五湖浄化推進連絡協議会)と共同で(実験担当:環境保全団体、浄化効果および環境影響調査担当:福井県環境政策課)、EM菌が河川と湖沼の水質改善に使えるかどうかを検証していました。
公文書(行政文書)開示請求によって、この報告書を開示して頂けましたので、こちらも紹介します。
【平成12年度】実験概要
実験場所:
三方町鳥浜地区の旧今古川の200m区間
(川幅約2.5m、水深約20~30cm、約10~60cmの土砂が堆積)
(写真が不鮮明であるが、開示されて送付された報告書のコピーがこの状態)
結果:
実験区と対象区で明らかな差はなく、微生物の投入による効果はみられなかった。
【平成13~14年度】実験概要
実験場所:
三方町成出地区に設置した人工池
(池の直径約8.6m、水深約lin、底泥約50cm)
結果:
実験区の方で、透明度やSS(浮遊物質量)等について改善効果が見られたが、汚濁物質が微生物により分解されることによる水質浄化効果は確認できなかった(溶解性CODが対照区の約2倍に上昇)。
ブログ主コメント:EM菌の培養液は酸性なので、透明度が上がったのはその影響とも考えられます。
※溶解性CODとは、CODのうち水に溶けているものであり、この値が大きいほど水そのものが汚れていると見なされる。
以上の通り、福井県によるEM菌の水質改善効果の検証も、否定的な結果でした。