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EMの歴史

ニセ科学 EM関係

EMについて、これまでに得た情報を時系列にまとめてみました。
自分用のメモを兼ねています。
(ざっとまとめたので、抜けも多いかと思います)
間違いや、大事だと思われる事で抜けているものがあればご指摘下さい。

<表1>EMに関する年表










※公的機関や大学の研究者によるEMの効果の検証は、ほとんどが否定的な結果となっています。

参考として、上記の表の内容について年別にグラフにしてみました。
(全ての出来事を網羅していないので、内容推移の大雑把な傾向を見る程度のものです)
<表2>表1の年表に記載した項目の内容の推移

こうして歴史を見ていくと、最初は農業用の微生物資材としてスタートしたEMが、環境浄化目的で使われる様になり、さらに健康・医療の方面にも進出してきた流れが分かります。
EM菌に対する批判は、1990年代半ばから農業関係で増えてきて、1990年代後半からは環境関係で増えています。

次に示すのは、昨年10月にツイッターで行った、EMを初めて知った時期と、何に関連して知ったのか等についてアンケートをとった結果です。
この結果と<表2>を照らし合わせてみると、推移の状況が大体一致しています。
<表3>で、1990年代後半に初めてEM菌を知った人数のピークがありますが、1995年に「EMぼかしネットワーク」、1998年に「地球環境共生ネットワーク」が発足し、普及活動が盛んにされた時期と一致します。
(100人近くから回答を頂き、いつ頃知ったのかという記憶がしっかりしていた60人の結果をまとめたものです)
<表3>アンケート結果

このアンケート結果から、東日本大震災以降は「放射能除染ができる」という宣伝が広まった様子が分かります。『地球環境・共生ネットワーク(U-ネット) 』の「善循環の輪」としてEM活用団体に登録されている団体数は、福島県では東日本大震災後に2倍近くに増えています。放射能汚染への不安を利用して、EMが広められたと考えられます。
東日本大震災後のEM関係団体の広まり
http://d.hatena.ne.jp/warbler/20130326/1364305538

<表1>に戻ると、早い時期から、沖縄の公的な研究機関の試験でEMの効果については懐疑的な見解が出されていましたが、EMを沖縄の産業・経済振興に利用したい政治家の思惑があり、初期の懐疑的な見解が抑えこまれてしまい、有望な微生物資材としてどんどん広められた経緯があります。
これについては、『沖縄における「EM(有用微生物群)」の受容』という論文に詳しく書かれています。
岡山と沖縄で市民が公的な資金をEMにつぎ込んだ自治体を訴える裁判が起こされましたが、これまでにそれらの訴えは棄却されており、現在に至っています。

比嘉氏は、以前は「普通」の農業系の本を書いていた様子ですが、EMと世界救世教との出会いが大きな転換点となったと思われます。世界救世教の後ろ盾があったことが、開発資金を得られた事の他にもEMの全国への普及を促進したと考えられます。さらに、船井幸雄氏との出会いから「ニセ科学」色を強めていった様子が窺え、こうした方面にも水を得た魚の様に進出していきました。
特徴的なのはEMの耐熱温度で、その万能性がエスカレートするに従ってどんどん上昇しています。

マスコミがどの様にEM菌を報道してきたのかについて、2007年からの新聞記事を検索して解析したところ、主に環境分野での記事が多く、EMによる水質浄化活動を肯定的に報じたものがほとんどでした。この解析では、小学校に総合学習での環境教育を通じて広まっている様子が分かります。
新聞記事とEM菌(1)−データ解析編−
http://d.hatena.ne.jp/warbler/20130428/1367118998

<表1>の作成は、以下の資料を参考にしました。
・各団体および各社のHP、財団法人の資料
・比嘉氏のブログなど
・新聞記事
CiNii Articles 検索
AmazonのHP 検索
・沖縄における「EM(有用微生物群)」の受容−公的領域で語られた言説を中心に− 
 吉野航一(宗教と社会 2009.06 Vol15:91-105)
http://ci.nii.ac.jp/els/110007524844.pdf?id=ART0009355730&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1381083924&cp=
・『カルト資本主義』(斉藤貴男著 文春文庫)2000.6
・ブログ:新小児科医のつぶやき EM激動史 前編・後編
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20120903
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20120904
・ブログ:杜の里から なぜEMが効かないのか? 前編・後編
http://blog.goo.ne.jp/osato512/e/7eeb50389811755d478de8ef9d11cc54
http://blog.goo.ne.jp/osato512/e/38f6fb063401c95f4e210b4d1e5e177f
・別冊現代農業:農家が教える微生物パワー(農文協) 2013.11
・その他

EMの歴史に関しては、EMの元となった微生物資材を開発したサン興産業から、次のものが出されています。
こちらも参考になります。

サン興産業による「比嘉教授とEM製造の歴史」
http://www.saion-em.co.jp/file_26/file_26-16.pdf

この図を元に、OSATOさんが年代を入れた図を作成されていますので、そちらを紹介します。