ヘンドリック・シェーン事件の経緯

本日、NHKアーカイブスでNHK BSスペシャルの『史上空前の論文捏造』が再放送されました。 論文不正の事例研究として、とても参考になります。この番組のディレクターである村松秀さんが取材内容をまとめた著書『論文捏造』(中公新書ラクレ)からも引用させ…

若山さんの記者会見(2014/6/16)の配布資料にあるPCR解析データ

2014年6月16日の若山さんの記者会見で配布された資料にある、遺伝子解析データです。 (会見後、この解析をした第三者機関は、放射線医学研究所であると判明) 解析に使用したPCRプライマーのDNA配列はまだ未公表です。若山さんと理研CDBから、より詳しい情…

Nature誌のSTAP細胞論文取り下げ告知文に関する経緯について

若山さんとやりとりした結果、STAP細胞論文取り下げ告知文に関する混乱の経緯が判明しました。若山さんがNature誌に送った取り下げ理由(5)のSTAP幹細胞の遺伝子解析の結果について説明した英文が誤読を招くもので、それによって若山さんが意図した意味ではな…

NATROM本『「ニセ医学」に騙されないために』解説文

NATROM(なとろむ)さんの著書『「ニセ医学」に騙されないために』に収録されている解説文を出版社のご厚意により、無料で公開します。[解説] 15年程前になりますが、私の知人のAさんは妊娠中に初期の乳がんと診断され、出産後すぐに乳房温存手術を受けま…

6/16の若山教授の会見で判明した事など−STAP細胞がES細胞である可能性について

基本情報:若山さんは、STAP細胞に関する実験で、キメラマウスの作製とSTAP幹細胞・Fgf4誘導幹細胞の樹立を担当。この記事で、 Nature Article論文とは、 Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency Nature 505, 641–647 (30 J…

健康食品・サプリメントにご用心

この記事は、Rikatan2014年春号に寄稿した記事の転載です。 TVや新聞、雑誌などに様々な健康食品の広告が溢れていますが、それらの効果ってどれくらいあるのでしょうか? 手軽に購入できて、健康に役立つならば、いいのではないの? と考える人達も多いので…

石井俊輔氏が責任著者となっている論文に関する疑義を頂きました

理化学研究所の石井俊輔上席研究員が責任著者となってる論文に疑義があるとして、匿名の方から相談されました。 なお、石井氏はSTAP細胞論文の調査委員会委員長をされている方です。 (追記:石井氏は、この疑義が出された後に委員長を交代されました)相談…

新聞記事とEM菌−データ更新

新聞記事とEM菌(1)−データ解析編−http://d.hatena.ne.jp/warbler/20130428/1367118998 のデータの更新です。データの解析は、そちらの記事の方もお読み下さい。また、データに関する考察については、こちらの記事を参照して下さい。 新聞記事とEM菌(2)…

「ある大学で起きた研究不正についての実例」の補足

「ある大学で起きた研究不正についての実例」 http://d.hatena.ne.jp/warbler/20131207/1386394597 で紹介した事例について、学術振興会から状況の説明をして頂いております。 日本学術振興会研究助成第一課の担当者に公表の了解を得られましたので、掲載し…

第36回日本分子生物学会 理事会企画フォーラム「研究公正性の確保のために今何をすべきか?」後記

理事会企画フォーラム「研究公正性の確保のために今何をすべきか?」 http://www.aeplan.co.jp/mbsj2013/mbsj_forum.htmlこの企画をされた分子生物学会の理事会の方達は、かなり真剣に研究不正防止について考えています。 このフォーラムには、NHKや複数の新…

ある大学で起きた研究不正についての実例

ここで紹介する実例は、 第36回日本分子生物学会で開催された 理事会企画フォーラム「研究公正性の確保のために今何をすべきか?」 http://www.aeplan.co.jp/mbsj2013/mbsj_forum.html の、第1セッションと第5セッションで話題提供させて頂いたもので、そ…

『DND出口氏の記事にある青森市立西中校長インタビューの事実関係の確認』の補足を兼ねて

2013年05月15日に当ブログに掲載した 『DND出口氏の記事にある青森市立西中校長インタビューの事実関係の確認』 http://d.hatena.ne.jp/warbler/20130515/1368612989 という記事に関して、DNDの出口俊一氏から質問のメールがきました。 記事の補足にもなりま…

EMの歴史

EMについて、これまでに得た情報を時系列にまとめてみました。 自分用のメモを兼ねています。 (ざっとまとめたので、抜けも多いかと思います) 間違いや、大事だと思われる事で抜けているものがあればご指摘下さい。<表1>EMに関する年表 ※公的機関や大学…

「研究不正」をどう防ぐか<上>

WEBRONZAより転載、加筆。 http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2013082000008.html 研究不正、特に論文の捏造は重大な問題であり、学問への信頼を揺るがせるものです。発覚するしないに関わらず、不正を行った本人だけではなく周囲の人達も巻き込ん…

「研究不正」をどう防ぐか<下>

WEBRONZAより転載、加筆。 http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2013082000009.html<上>では、研究不正が行われている状況とその背景について書きました。続く(2)では、どうすれば不正を減らせるのか、第三者機関による監視の必要性も含めて考…

環境教育と善意のEM投入

WEBRONZAからの転載です。 http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2013071200007.html http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2013071200008.html 自然環境は、そこに生息する様々な生物による複雑で絶妙なバランスによって保たれています。 例…

読んだ本の紹介

ツイッターでつぶやいていた読後感想のうち、お薦め本を選んでまとめました。「カルト宗教」取材したらこうだった (宝島社新書) (藤倉善郎著)2012年08月15日読了 ニセ科学批判をして感じている事とかなりオーバーラップしている部分があり、読み応えがあり…

ちょっと待って!EM団子・EM活性液の投入

2010年から、海の日にEM提唱者である比嘉氏が主導して、河川や湖沼、海などへの「EMの日・全国一斉EM団子活性液投入」活動が行われています。今年は、投入目標量がEM団子100万個・EM活性液1000トンです。 昨年の投入実績は、主催者発表によると、EM団子 555,…

『微生物資材の水環境中での利用に関するQ&A』

福島県生活環境部水・大気環境課の転載許可を頂きましたので、 『福島県生活環境部生活排水対策推進指導員講習会資料』(抜粋)を紹介させて頂きます。

DND出口氏の記事にある青森市立西中校長インタビューの事実関係の確認

EM菌を用いた環境授業について問題提起をした朝日新聞記事に対する、DNDメディア局の出口俊一氏による批判記事が出されています。この批判記事では朝日新聞の長野剛記者の取材が事実と異なるとされています。しかしながら、出口氏の批判記事の中で取り上げら…

新聞記事とEM菌(2)−考察編−

前エントリーのデータ解析編の続きです。 2008年からEM関係記事数は徐々に下がっている様子があります。2012年の夏以降は、記事数の減少がはっきりと現れています。理由としては、次の様なことが考えられます。(EMにとってポジティブな推論) ・EMが普及し…

新聞記事とEM菌(1)−データ解析編−

新聞は公共の情報源として、さまざまな情報提供を行っており、多くの人達が参考にしています。新聞記事にEM菌がどの様に紹介されてきたか、その動向について2007年1月〜2013年3月の日本国内のEM関係記事(1833件)を拾い集めて解析してみました。EM関係記事…

東日本大震災後のEM関係団体の広まり

原発事故による放射線に対する不安から、放射性物質の除染効果を宣伝しているEMが広まっているという印象があり、実際にどうなのかを調べてみました。昨年10月に、ツイッターでEMを初めて知った時期(東日本大震災の何年前か)と、何に関連して知ったのか等…

甲状腺がんの特殊性と福島県で実施されている甲状腺検査の診断基準について

SYNODOS JOURNAL に寄稿した記事から、一部抜粋して加筆修正しました。 http://synodos.livedoor.biz/archives/1955905.html癌と関連する健康診断をして二次検査をしましょうと言われると、誰でも不安になるものです。二次検査をして「癌ではなく良性腫瘍(良…

福島県での甲状腺がん検診のこれまでの結果で、甲状腺がんの発生が多発と言えるのか?

現在、福島県の子供達に甲状腺がんの発生が増えているのかどうかについて、疫学者の津田敏秀氏から次の考察が出されました。福島県での甲状腺がん検診の結果に関する考察 ver.3.02 岡山大学大学院・津田敏秀氏 http://www.kinyobi.co.jp/blog/wp-content/upl…

政治と疑似科学

WEBRONZAの記事より転載。一部加筆修正しました。 民主主義政治における政策決定と科学的な根拠を重視する考え方には、深い関係があります。どちらも、「ある意見の価値は、その意見を支持する人の思想・信条や社会的な地位とは関係無く、その意見を支える事…

巷に流行る「酵素栄養学」、なんか変です

酵素を食べ物から体に取り入れることで健康維持に役立つという説を基にした健康法を良く目にします。「酵素栄養学」と呼ばれるもので、一生のうちで作れる酵素の量(「潜在酵素」)が人によって決まっていて、食べ物に含まれる酵素(「食物酵素」)を食べて…

原発事故:成人後発症の甲状腺がんも全額補償に

この記事は、朝日新聞WEBRONZAからの転載です。 http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2012112100004.html 昨年3月の東京電力福島第一原発事故の被災者が国に対して、健康被害に関する賠償請求をしても、国がその対応を渋るのでは、という疑念を持つ…

板柳町の報告書でのリンゴ腐らん病」対策に関する佐野教授による経緯の説明とご意見

前記事「EMとその類似商品について、効果の検証が不確かな病虫害対策の宣伝にも注意して下さい」で取り上げた、青森県北津軽郡板柳町が株式会社縄文環境開発に委託した「環境保全型農業推進事業業務委託」最終年度の報告書に「リンゴ腐らん病対策」に関して…

EMとその類似商品について、効果の検証が不確かな病虫害対策の宣伝にも注意して下さい

前回の記事『EM(有用微生物群)の何が問題なのか』では、EMの効果の確認が不十分なまま用途がどんどん拡大されて宣伝されている状況について指摘しました。 EMやその類似商品には様々な動植物の病虫害に効果があるとも宣伝されています。その1つがリンゴ腐…

あなたの隣のニセ科学

※このエッセイは、JOURNAL of the JAPAN SKEPTICS Vol.21に寄稿したものを転載しています。 普段、私が主に扱っているのは、 “科学を装っている”けれども実際は科学ではない「ニセ科学」です。この“ニセ”という言葉には批判的なニュアンスが込められています…

iPS誤報の原因はどこにあるか-誤報の背景とそれを繰り返さない為に

※2012年10月25日にWEBRONZAに掲載された記事を転載します。 http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2012102300007.html 森口尚史氏からのiPS細胞移植という虚偽の話を持ちかけられても記事にするのを見送ったメディアは、「倫理委の承認」「渡された草…

「食の安全を守るための現場の取り組み」−北海道の海産物の例

2012年10月10日に函館で開催された食品安全委員会の『食品に関するリスクコミュニケーション「放射性物質と食品の安全性について」』に参加しました。その中で海産物の安全性についての質問に答えられた北海道庁水産経営課の門脇主査の説明がとても参考にな…

EM(有用微生物群)の何が問題なのか

朝日新聞WEBRONZA 2012年09月12日に掲載された私の記事の転載です。 http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2012091000003.html?iref=webronza***** 前回の記事で取り上げたEM(有用微生物群)について、EMの提唱者である比嘉氏は、EMは「科学的…

EMの「抗酸化波動」によって土壌の放射性セシウムを消滅できる?

前記事 ・EMで作物の放射性セシウムの吸収を低減できるか? http://d.hatena.ne.jp/warbler/20120907/1346997502では、福島県農林水産部試験結果からは、EMの特別な効果によって作物の放射性セシウムの吸収を低減させるということは言えず、"EMが放射性セシ…

EMで作物の放射性セシウムの吸収を低減できるか?

※朝日新聞WEBRONZAに2012年8月24日に掲載された記事から、一部加筆修正して転載。 環境に良い、体にも良い、さらには放射性物質の放射能まで消してしまう、そんな魔法のような菌が宣伝され、広まっています。琉球大学名誉教授(現・名桜大学教授)の比嘉照夫…

福島の原発事故と、チェルノブイリの原発事故の被ばく量などの比較−福島の現状について

福島で起きた原発事故から1年3ヶ月以上経ち、被ばくに関する様々な測定データが揃ってきました。 ここでは、チェルノブイリ事故と各種のデータを比較してみます。(参考)WHOによるチェルノブイリの原発事故での健康影響についての概要報告 ・放射線の健康…

放射線に関するあやしい情報についての勉強会

ツイッターの方でもお知らせしましたが、「放射線関係のあやしい情報」についての勉強会を予定しています。 クリーン北海道の会がお手伝いをして下さる事になりました。・勉強会名:【放射線にまつわるあやしい情報の見分け方】 ・開催予定日:7/29 (日) 13…

福島の人達と原発労働者の放射線被ばく量と健康影響についてのNature記事を紹介

Nature Fukushima’s doses tallied 福島の放射線量が計算されたhttp://www.nature.com/news/fukushima-s-doses-tallied-1.10686 Studies indicate minimal health risks from radiation in the aftermath of Japan’s nuclear disaster. 複数の研究が、日本の…

『福島県の子供の病死者数が増えている』ってホント?

タイトルの件について、福島県の子供の病死者数について、政府の統計データを調べてみました。 「人口動態調査」 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001028897 からデータを得ました。福島県の子供の原発事故後の病死者数の変化について…

毛髪で体内のウランの検査ができるって、ホント?

もうダマされないための「科学」講義』 (光文社新書)−「付録」に記載のURL集はこちら http://d.hatena.ne.jp/warbler/20111009/1318150706 最近、毛髪でウランなどの放射性物質の内部被曝検査ができるという宣伝をちらほらと見かけます。 (参考:あやしい医…

あやしい医療機器

もうダマされないための「科学」講義』 (光文社新書)−「付録」に記載のURL集はこちら http://d.hatena.ne.jp/warbler/20111009/1318150706 世の中には、既にインチキだと分かっているのに、それを隠して知らない人達を騙そうとする人達がいます。その1つが…

ジャネット・シェルマンさんら再び

もうダマされないための「科学」講義』 (光文社新書)−「付録」に記載のURL集はこちら http://d.hatena.ne.jp/warbler/20111009/1318150706 以前のエントリー「原発事故以降アメリカ北西部で乳幼児の死亡数が35%上昇しているって、ホント?」 http://d.hatena…

再掲:「予防接種についての6つのよくある誤解」

もうダマされないための「科学」講義』 (光文社新書)−「付録」に記載のURL集はこちら http://d.hatena.ne.jp/warbler/20111009/1318150706 予防接種についてよくある誤解について解説したWHOの文書がありますので、参考資料としてこれを紹介します。 関連:…

バズビー博士の主張について

もうダマされないための「科学」講義』 (光文社新書)−「付録」に記載のURL集はこちら http://d.hatena.ne.jp/warbler/20111009/1318150706 ・関連エントリー:ガーディアン紙が掲載した、放射線に効くと宣伝されるサプリに関する批判記事の紹介 http://d.hat…

ガーディアン紙が掲載した、放射線に効くと宣伝されるサプリに関する批判記事の紹介

もうダマされないための「科学」講義』 (光文社新書)−「付録」に記載のURL集はこちら http://d.hatena.ne.jp/warbler/20111009/1318150706 Post-Fukushima 'anti-radiation' pills condemned by scientists 福島原発事故後の「抗放射線錠剤」が科学者達から…

科学研究の組み立て方−アップルペクチン(ビタペクト)論文の検証付き

もうダマされないための「科学」講義』 (光文社新書)−「付録」に記載のURL集はこちら http://d.hatena.ne.jp/warbler/20111009/1318150706 ・関連エントリー:科学についての概説 http://d.hatena.ne.jp/warbler/20111031/1320025816[科学研究の組み立て方]…

科学についての概説

もうダマされないための「科学」講義』 (光文社新書)−「付録」に記載のURL集はこちら http://d.hatena.ne.jp/warbler/20111009/1318150706 [科学とは] Prentice Hall Biology(Kenneth R. Miller, Joseph S. Levine 著)より科学とはどういうものでしょうか? …

『もうダマされないための「科学」講義』 (光文社新書)−「付録」に記載のURL集

『もうダマされないための「科学」講義』 (光文社新書)の「付録」として収録されました、 「放射性物質をめぐるあやしい情報と不安に付け込む人たち」 に記載しているURLを一々手で入力するのは大変めんどうだと思います。こちらに、記載したURLのリンクを貼…

もうダマされないための「科学」講義 (光文社新書)

・9/16に発刊予定です。Amazonの掲載ページ執筆者は 菊池 誠 (著), 松永 和紀 (著), 伊勢田 哲治 (著), 平川 秀幸 (著), 片瀬 久美子 (著), 飯田 泰之 (編集), SYNODOS (編集) 豪華メンバーの中に加えて頂き、恐縮しております。 私が書いたものは「放射性物…